歴史と伝統文化

2009年3月21日 (土)

お彼岸にベルツを偲ぶ

Baelztodai  お彼岸の中日の今日、お墓参りの帰りに、ある人物を偲んで「ゆかりの地」を訪れました。

 その人とは明治政府のお雇い外国人教師の一人、エルヴィン・フォン・ベルツ博士です。東大医学部の基礎を作り、日本の医学発展に貢献したベルツの像が今も東大付属病院を見つめています。左がその写真です。

 ベルツは日本人とその伝統文化をこよなく愛し、絵画や工芸品など膨大な数の美術品を蒐集しました。現在約六千点にのぼる「ベルツコレクション」が故国ドイツのリンデン民族学博物館に収蔵されていますが、今回はじめてまとまった形で里帰りしました。

Belzten2s  MOA美術館(熱海市)特別展「江戸と明治の華-皇室侍医ベルツを魅了した日本美術」がそれです。2009年3月28日から5月10日まで開催されます。そしてそれにともなう記念講演会を私が担当することになったわけです。題して、「ニッポン再発見!-ベルツの見た伝統文化と統合医療」。4月18日午後2時からMOA美術館能楽堂で行います。内容はまた後日おしらせ致します。

 さて、この日の目的はベルツの像だけでありません。二年ほど前、東大病院の前にベルツの愛した庭石が安置されました。実は長い間、構内の崖地に放置されていて、業者に処分Baelzniwaishi1 を依頼される寸前だったのです。同門会有志の先生方の呼びかけで、立て看板とともに大事に設置されることになりました。この経過を東大卒業生で慈恵医大名誉教授の亀田治男博士からお聞きし、実際にこの眼で見るために訪れたのです。

 私自身は東大卒業ではありませんが、深い感銘を受けました。庭石の復権の直後、コレクションの里帰りにともなってベルツの業績が再評価される、実に不思議な話ではありませんか?

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