園芸

2009年12月25日 (金)

風にも負けず…育ったユーカリ

Photo  昨年森林セラピー基地の一つ信濃町に行った際に、根本だけが曲がっている樹木に出会いました。これは雪深いところではよく見られる現象だそうです。
 小さい時に雪の重さに耐えかねて倒れ、雪解けで首をもたげ、また雪が降って…と繰り返すうちに根はしっかり大地をつかみ幹は太くなって雪の重量にびくともしなくなったものです。だから、幹の上の方は天に向かって垂直に立ち上がっていて、マジックを見るようなのです。

 

Photo_2 それが私の診察室の窓からも見えます。と言うと嘘だと思うかもしれませんね。実はここには私のデザインした花壇が作られています。花壇ですから深さは30cm足らずのものです。開院当初の花壇の様子が右の写真です。黄色の楕円で囲んだのはユーカリです。

Photo_3  元々原産地では20m~50mの巨木になる樹木ですが葉の形がかわいく、常緑のため、花壇に植えてしまったのです。これが二年もたたないうちに2mを越えるようになってしまいました。ただ、風の強い瑞泉郷のこと、支えをしても何度も倒れてしまいます。特に春以降は枝がどんどん分かれ葉が茂るため、剪定を怠ると頭が大きくなり立っていられなくなります。ところが三年を過ぎて、やっと根が四方八方に張り、いくら大風が吹いても倒れなくなりました。

 

Photo_4 そして、根元近くを見ると、豪雪地帯に生き残った不屈の樹木と同じような曲がり方をしていました。どんなに浅い花壇でも、風が強くても、何度も倒れても、文句も言わずたくましく育ってくれました。風が吹くと、モビールのように葉がヒラヒラ揺れて、見る者に癒しを与えるユーカリは、実に気骨のある苦労人なんですwink

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2009年11月22日 (日)

4年目の皇帝ダリア

Kouteidaria  今年も皇帝ダリアが花を咲かせました。毎年5月頃に芽を出し、半年以上かけてニョキニョキと4mまで育ち、11月下旬にトップの部分にピンクの大輪の花を咲かせます。

 我が家は山の中にあるため風が強く、途中で折れてしまうことがあります。今年は台風に耐えたのに、11月に入って倒れてしまいました。しかし、折れていなかったため、家族と一緒に助け起こしたところ、見事に開花したのです。

 デッキの下、傾斜地の庭に植えたので、花の位置が2m程度に来て、見上げても首が痛くなることはありません。花がみんな散ってしまうと、根元からばっさり切ってしまいます。別名、木立ダリアというぐらいですから、木を切る要領で、更に30cm程度にまで細かくするので非常に手間がかかります。でも、この作業が終わると今年も終わりだなあという感じになります。

 いのちを刈り取る作業をしたのに、翌年もちゃんと生まれ、同じように刈り取ることになるのが、考えてみると不思議です。そう感じるのは、いのちを看取る医師をしているからかもしれません。園芸は、かっこよく言えば「有限と無限のいのちの循環」を目撃できるというわけですgawk

 

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2009年5月 5日 (火)

エニシダまつりだっ!わっしょい、わっしょい

 我が家のエニシダが二本とも花盛りとなりました。二年前には30cmほどだったのに、今は私の身長を超えてしまいました。いくらカットしても強健で花をめいっぱいに咲かせます。

Enishida1  一本は裏庭の私の一坪の実験農場に植えたもので、黄色が強く、家人や隣人から「お祭りみたいだね」と言われます。実は今年3月、すぐ近くに三十坪の畑を借りたので、実験農場は妻の手に譲り渡されたのです。今はハーブやミニトマトが栽培されています。新しい畑はまだ開墾中です。

Enishida2  もう一本のエニシダは玄関横の庭にありクリーム色の花が咲き誇っています。近くにアジサイ、ミヤギノハギ、コデマリ、銀マサキ、サルスベリ、コニファー、ナルコユリなどが重なって植わっているため、花後に強い剪定をする予定です。

 

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2009年4月15日 (水)

春の山色、庭の芝桜、目に至福の時

Yamamoeideru2  昨日の激しい雨で桜がずいぶん散ってしまいました。その代わり青葉が一斉に萌え出でて、すっかり山の色が変わりました。療院の二階からの眺望では、天城連山がくっきりと見え、目にさわやかです。

 さて今年も診察室や我が家の芝桜がこんもりときれいに咲きました。我が家のものは昨年のブログでもお伝えしましたが、階段状にしてあり、元は大仁農場で購入した自然農法苗です。五年目ですがまったく肥料を入れたことがありません。病虫害も発生していません。

Jitakushibazakura2009  花の終わりがけに花ガラを含めて表面を長い柄の刈り込みバサミでサクサクっとカットしていきます。あとは梅雨の時期や夏に間引いたり、カットしたり、風通しをよくしたり、しておきます。黄色くなっているものなど大胆に切っても、翌年はまた茂ってきます。要は、蒸れて病気が出ないよう、栄養の取り合いがないよう、ケアしておくだけの管理です。

 急な斜面に定植した場合、どんどん表土が流れないように注意が必要です。花が咲く時に隠れるぐらいの低い土留めをしておくと良いでしょう。以前、市販のものを別の斜面に植えたことがありますが、堆肥を入れなかったせいか、きれいに咲かず、繁りませんでした。自然農法のものはやはり強健な印象です。大仁瑞泉郷花まつりでも自然農法の花苗を安価に入手できます。

Shinsatsushibazakura2009  それから、手はかけなくとも、心をかけ愛でてあげた方が花がきれいに咲く印象があります。ですから、診察室の外の庭は暇あるごとに眺めています。また、施設見学に来られる方々も非常に喜んでくれるため、できるだけ見ていただくようにしています。

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2009年3月19日 (木)

うららかな春の日に

Yukiyanagi  暖かな日が続いています。自宅の庭にはユキヤナギが例年のように綺麗に咲きました。暖かすぎて、すでに芝桜まで咲き始めてしまっています。他に、トサミズキ、クロッカス、黄水仙、ジンチョウゲ、ムスカリ、ノースポール、クリスマスローズなど賑やかになってきました。

Mimoza  先日、熱海に出かけた際にも黄色が眼にあざやかなミモザアカシアが満開でした。見るだけで爽やかな気分になりますね。

 春と言えば、大仁瑞泉郷花まつりが近づいてきました。今年の特別開催日は4月25日・26日の予定です。昨年同様、様々なイベントが行われます。奥熱海療院の健康法体験も例年どおりあります。お楽しみに!

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2008年12月15日 (月)

サザンカの道

 大仁では落葉で森の見通しが良くなってきました。その中でサザンカ(山茶花)が咲き誇っています。童謡「たき火」を小さく口ずさみながら散歩します。

さざんか さざんか 咲いた道
たき火だ たき火だ 落ち葉たき
「あたろうか」「あたろうよ」
しもやけおててが もうかゆい (巽聖歌・作詞、渡辺茂・作曲)

Sazanka  作詞は昭和のはじめ、東京郊外を散歩した際にできたそうです。NHKの依頼で曲がつけられましたが、真珠湾攻撃の翌日にはじめてラジオで放送されると、軍のクレームで放送禁止になりました。「たき火は敵の攻撃目標になるし、落ち葉だって貴重な資源だから」という理由でした。戦後、解禁され大ヒットすると、今度は消防庁からクレームが来たそうです。

 サザンカとツバキは似ていますが、見分け方があるそうです。①咲く時期が違う。前者は秋~冬、後者は初春②散り方が違う。前者は花弁がバラバラ、後者は花ごと落ちる③葉が違う。前者はギザギザが目立ち、後者は無い④その他、サザンカは葉柄や若枝に毛が生えているなどです。とすると写真はサザンカですね。まだまだ咲いていない蕾が鈴なり状態で、楽しめそうです。

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2008年8月 1日 (金)

園芸療法の実践 2

 今回は「園芸療法の実践」の二回目です。五感を生き生きと働かせる園芸作業はこころの癒しになる、という内容です。詳しくはPDFファイルをお読み下さい。

 ドイツの園芸活動にクラインガルテン(小さな庭)があります。19世紀の産業革命時に、工場労働者の健康被害が深刻化し、その救済のためのシュレーバー医師が郊外に畑付きの庭を作ることを提唱しました。都市の生活にうるおいを取り戻すことで、人も環境も健康になる、というエコライフの考え方を先取りしたものです。最近では農薬も厳しく制限されているそうです。

Engeiryouhou2  北里大学の陽(みなみ)副学長は農学の立場から「農医連携」を訴えています。そのなかで、現代人は分離の病におかされている、と仰っています。心と体、人間と自然、人と人、親と子、先生と生徒、などなど。私も同意見です。特に土や農業と離れてしまったことで、大切なものを失い、様々な不具合が生じていると考えています。

 日本人は、森林や自然にめぐまれた日本に住みながら、人工都市を造ってきました。中国の環境汚染への対策が遅れている、と笑っている場合ではありません。それは私たちが通ってきた道そのものなのです。シュレーバー医師が先鞭をつけてから百数十年も経たのですから、そろそろ私たちも気づいて自然や園芸を生活に取り入れてもいいのではないでしょうか。まずは心の癒しを確保するリラックス法として‥happy01

 

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2008年7月27日 (日)

園芸療法の実践 1

 私のクリニックに併設されている健康増進施設(以下、健康法部門)では園芸療法を受けられます。園芸療法は保険診療の適応ではありません。現在では作業療法の中で園芸を取り入れているに過ぎず、園芸療法単独の効果は日本では認められていないのです。

 アメリカでは第二次世界大戦で心身に傷をおった兵士達のリハビリに効果があることが認められ、各大学で園芸療法の講座が開かれ、続いて園芸療法士の資格が設けられました。現在でもアメリカでは医療の補助的な位置づけですが、実際の園芸療法の実践は園芸療法士が考えて対応しており、作業療法士はお膳立てをするに過ぎません。

Engeiryouhou1  もちろん日本では園芸療法士という資格はありません。健康法部門で担当している園芸療法士はカンザス州立大学で学び、研修のすえに資格を取得しました。クリニックの受診者が園芸療法を希望する場合は、健康法部門の窓口に足を運び、自費で園芸療法を受けなければいけません。それでも療法を継続して受け、その効果を実感している人が少しずつ増えています。もっともっと園芸療法の良さを一般の人が知って欲しいと願っています。

 そこで月刊自然農法連載の「園芸療法の実践」という記事を許可をいただいてブログでも読めるようにしました。今回はその第一回目。書き手は園芸療法士の「やまやゆりこ」さん、イラストは「いけやしほ」さんです。上のリンク先にPDFファイルがあります。

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2008年5月24日 (土)

植物は天才である 2

 植物が天才だと思うのは、挿し芽の時にもあります。我が家に成長したアジサイの木が四本ありますが、これは三年前にアジサイの葉っぱを挿し芽して育てたものです。

 あの切れ端のように小さな葉と茎の一部から、根が生え、茎が伸び、葉が出て、ついには大輪の花を咲かせるようになるなんて、実際にやってみると衝撃でした。ヒトの体細胞を万能化して、いろいろな臓器を作ろうというのが最先端の再生医療です。でも、植物の場合は家の庭で、しかも土にまみれた手でおおざっぱにチョンチョンとやるだけで、それが可能になります。

Ajisaisashime1_6 Ajisaisashime2_2 まず、アジサイの花が咲かなかった部分を左上図のように切り取ります。

 次にチョンチョンと葉と茎を整理して、かなりコンパクトにしてしまいます。こんなに切りつめていいの?という感じです。

Ajisaisashime3  そして、乾かないように養生しているうちに、根が生えてしっかりしてきます。あとは秋になって地面や鉢に定植するだけです。

Ajisaihaname  それで、一片の葉からこんなに大きな木になり、今年も花芽をいっぱいつけて咲き始めるのですから、感心です。

 植物のいのちは無限だなあと感じると同時に、植物がこれだけできるのなら、人間にも無限の可能性があるんじゃないかなあ、と単純な私には思えて仕方がないのです。

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2008年5月21日 (水)

植物は天才である

 冬の庭の植物たちは一部を除いてほとんど息をひそめてしまいます。ところが、翌年の春から夏にまた同じ花に再会できることがあります。地上の茎や葉はすっかり枯れてしまっても、根が残っていて、そこから成長してくるのが宿根草です。ギボウシ、キキョウ、都忘れ、クレマチス、シャクヤク、スズランなどです。宿根草だと知ってて植えているのですが、でも顔を出すと「やあ、また会えたねー」と感激します。それも多くは二年目がぐっとゴージャスになります。

 次は球根植物です。水仙やムスカリやゼフィランサスは翌年に顔出すだけでなく、球根がどんどん増えて年々ボリュームアップしていきます。庭の持ち主は何も努力していないのに、これらの植物は律儀にも毎年姿を披露してくれて、庭造りを手伝ってくれます。

 その中でも一番驚くのは皇帝ダリア、別名木立ダリアです。5月頃、顔を出して半年ほどで4~5mの立派な木にまで成長して、11~12月にてっぺんの方で大輪の花を咲かせます。我が家では4年目ですが、今年は大丈夫かな?と心配するのですが、毎年しっかり出てきます。それも、朝見た時と夕方でははっきりわかるぐらい大きくなるんです。wobbly

Hatsuyuki2m Hatsuyukim

 宿根草よりも感動的なのは、一年草なのにこぼれ種から毎年成長してくる植物です。中でも定着率が良いのがハツユキソウです。花ではなく葉がレースの縁取りをしたように華やかで、長く楽しめます。どこに出てくるかわからない偶然性がまたいいのです。双葉も目立つので雑草と間違えて抜いてしまう恐れがありません。他にノースポール、マリーゴールド、トレニア、コキア(ほうきぐさ)などが、フーテンの寅さんみたいに必ず舞い戻ってくる植物たちです。

 「雲は天才である」というのは石川啄木の小説の題名ですが、いつも庭いじりするたびに「植物は天才である!」とつぶやく私。そのたびに何だか「世の中捨てたもんじゃないなあ」と前向きになれるんです。でも、植物を天才とする理由はまだまだたくさんあるので、シリーズ化して、いつか続編をアップします。

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