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2011年3月16日 (水)

傾聴の技法⑥ お仕舞い

 傾聴の技法の最後はその終わらせ方です。話を聴くことができる時間の余裕があっても、話の内容がとても興味深くても、可哀想になってできるだけ聴いてあげたくなっても、時間無制限というわけにはいきません。

 傾聴にふさわしい時間はその場や相手の状況などで異なります。長ければ良いというわけでは決してありません。相手が疲れたり、話しすぎたことを後悔したりというマイナス面があります。また、最後に「時間が来たからもう終わりね、ハイハイ」という切り上げ方で、傾聴の効果を台無しにしてしまうことがあります。

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 無理に話をまとめる必要はありませんが、話題が一区切りついたと思われた時、相手が同じ話題を繰り返し始めた時に、少しずつ傾聴の世界から現実に戻す導きをしていきます。その時に大事なのは、傾聴はこれで終わりなのではなく、今後も続いていくというメッセージです。たとえば、具体的に次の面談日を設定したり、相談窓口やメールアドレスを教え、「つらい時や心配事があればひとりで悩まずにご相談ください」と伝えます。話が長くなるのはこの機会にすべてを話しきってしまおうという気持ちの表れです。これからサポートが続き、今までと違って一人ぼっちではないという安心感が「時間」よりも欲しいのです。

 「これは終わりじゃない。終わりの始まりでもない。始まりの終わりなんだよ」 (三谷幸喜『ラジオの時間』より)

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