傾聴の技法② 開かれた質問
トンチ話の一休さんは、屏風の虎を捕まえなさいという無理難題に、ねじりハチマキたすき掛けの万全な体勢で「さあ、いつでも虎を追い出して下さい」と切り返したそうです。傾聴も相手が話をしてくれなければ始まりません。ただボーッと待っていてもだめです。
そこで相手に口を開かせるための質問をするわけですが、ここで「開かれた質問(open question)」と「閉じられた質問(closed question)」という技法が必要になってきます。 答えが「はい」「いいえ」のどちらかでよい質問は、あまり考え込まずに答えられるかわりに簡単に話が完結してしまいます。これを「閉じられた質問」と呼びます。例えば「その時、あなたはつらかったですか?」
一言で答えられる内容も同様です。たとえば、「いつどこで、そう思われたのですか?」
一方、簡単に答えができず、自分の心を探ってから出さないといけない質問を「開かれた質問」と呼びます。たとえば、「どんなふうに感じましたか?」「どのようなつらさがあったのですか?」自分の思いを引き出しやすく、コミュニケーションを深めるには開かれた質問が役立ちます。しかし、こればかりだと苦痛になります。途中で閉じられた質問をおりまぜて会話を軽く、スピードアップすることで、開かれた質問が生きてきます。
逆に、取調べのような質問続きでは相手の心もやがて閉じてしまいます。いち早く気づいて、「開け、ゴマ」とばかり心の扉を開いてもらえるような言葉を投げかけてみてください。
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