傾聴モード②
傾聴モードはあくまでも相手に共感的に寄り添う立場です。相手に対してマイナスの感情が起こる場合はとても傾聴なぞできません。憎しみ・恨み・嫉妬・怒り・嫌忌・恐れがあれば、あなたは傾聴の適任者ではありません。誰か他の人にまかせた方が良いでしょう。
傾聴モードはスーパーカウンセラーになることではありません。聴くことがメインなので、答えを出したり押しつけたりしてはいけません。良いアドバイスをしてやろうとか、はやく救ってあげようとか、思いすぎてもいけません。過剰な同情・哀れみ・正義感・思慕も不適当な感情と言えます。
傾聴モードとして、私が利用するのはナラティブなスタンスです。相手の世界観(価値観・人生観・信念・信仰・プライド・コンプレックスなど)を理解する時に、どうしても自分の常識や世界観が邪魔をしてしまいます。相手の生きている人生を固有の物語世界として理解すれば、共有しやすいはずです。
たとえば、おとぎ話の朗読をいちいち「こんな大きな桃はないだろう」「桃からは赤ちゃんは生まれないだろう」「鬼退治に子どもを行かせたりはしないだろう」などと常識を働かせながら聴くことはないでしょう。その物語世界の前提を受け入れるから、最後までじっくり聴けるのです。
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