傾聴の場づくり
傾聴はどこでもできますが、できれば傾聴にふさわしい場所があると良いでしょう。たとえば、職場で上司が部下の悩みを聞くのに、みんなが聞こえるところで「最近、どうした?」などと声をかけても、プライバシーが守れない場所では心を開いてくれません。それどころか、デリカシーの無さに二度と話をしてくれることはないでしょう。
まず、他人に聞かれない安心感が確保されていることが条件になります。しかし、閉塞感がありすぎると相談者はリラックスできなくなります。参考までに私の診察室の写真を例にあげます。
相手との距離は相手が自分で椅子を動かして調節できるようにしておきます。机をはさんで対面すると取り調べのようになるため、机の角を挟んで座るか、写真のように机の一辺に並ぶ形が安定します。相手は机や壁面に近い方が落ち着いて話ができます。
相談中に時計をチラチラ見てしまうクセのある人は真剣味に欠けると思われてしまいます。そこで、相手から視線をはずさずに時間を確かめられるよう、相手の後ろに時計を置いた方が良いでしょう。
傾聴の場は相手が話をする気になるだけでなく、あなたが傾聴モードになりやすい場所でもあります。ですから、名状しがたい雰囲気というものが場づくりにとって何よりも大切になってきます。
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