« 言葉の交差点マナー | トップページ | 傾聴の技法② 開かれた質問 »

2011年2月22日 (火)

傾聴の技法① 沈黙は金

 傾聴モードは普段のコミュニケーションをベースにしますが、技法が必要になってきます。もちろん心が無い技法は通用しません。

 まず、「沈黙を恐れない」です。むしろ沈黙を上手に活用します。
 「沈黙は金」「(みんなが押し黙った時に)天使が通った」という肯定的な言葉がありますが、沈黙は誰にとっても気まずいものです。特に、話上手な人は「沈黙は恥」と思ってしまうようです。

 沈黙には意味があります。①プラス:言葉をかみしめている、心を照合している、思い出している、答えを探している。②保留:今はまだ話したくない、言いたいけど言えない。③マイナス:不安・不信・混乱・困惑・反発・抵抗・疲労・飽き。④空白:一区切りつける、頭が真っ白、頭が黙る(思考停止)。⑤故意:沈黙が好き、この程度話せばもう充分でしょ。じらしてやろう、困らせてやろう。⑥その他:別のところに興味が移ってしまった、空想の世界に入った、など。
 今の沈黙がどの種類なのか、或る程度の想像はしていきますが、わからない時に詮索したり考えすぎたりする必要はありません。沈黙が多くてこちらが焦ったり、イライラするようであれば、沈黙を一緒に味わい楽しむようにします。しかし、マイナスの沈黙が続き、相手がいかにも苦しそうであれば、こちらから声をかけて沈黙を終わらせたり、傾聴を早く切り上げたりする必要があります。

Tears

 涙にも色々な意味がありますが、涙を流しているのに気づいたら一度は沈黙します。相手の感情に触れるのを恐れるあまり、つい気づかない振りをしたり、無視して話し続けたりしてしまう傾向の人は意識して沈黙してみると良いでしょう。心を落ち着かせ、沈黙の間、ゆっくりと呼吸しながら「一、二、三・・・」と数えてみてください。だんだんと慣れてきます。

 有島武郎『一房の葡萄』で絵の具を盗んだ主人公を前に教師は見事な対応をします。その一節「先生は少しの間なんとも言わずに、僕の方も向かずに自分の手の爪を見つめていました」と、沈黙を上手に使って、主人公の心が落ち着くのを待つ姿が描かれています。リンク先に朗読音声がありますので是非お聞きください。

|

« 言葉の交差点マナー | トップページ | 傾聴の技法② 開かれた質問 »

カウンセリング」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 傾聴の技法① 沈黙は金:

« 言葉の交差点マナー | トップページ | 傾聴の技法② 開かれた質問 »