風にも負けず…育ったユーカリ
昨年森林セラピー基地の一つ信濃町に行った際に、根本だけが曲がっている樹木に出会いました。これは雪深いところではよく見られる現象だそうです。
小さい時に雪の重さに耐えかねて倒れ、雪解けで首をもたげ、また雪が降って…と繰り返すうちに根はしっかり大地をつかみ幹は太くなって雪の重量にびくともしなくなったものです。だから、幹の上の方は天に向かって垂直に立ち上がっていて、マジックを見るようなのです。
それが私の診察室の窓からも見えます。と言うと嘘だと思うかもしれませんね。実はここには私のデザインした花壇が作られています。花壇ですから深さは30cm足らずのものです。開院当初の花壇の様子が右の写真です。黄色の楕円で囲んだのはユーカリです。
元々原産地では20m~50mの巨木になる樹木ですが葉の形がかわいく、常緑のため、花壇に植えてしまったのです。これが二年もたたないうちに2mを越えるようになってしまいました。ただ、風の強い瑞泉郷のこと、支えをしても何度も倒れてしまいます。特に春以降は枝がどんどん分かれ葉が茂るため、剪定を怠ると頭が大きくなり立っていられなくなります。ところが三年を過ぎて、やっと根が四方八方に張り、いくら大風が吹いても倒れなくなりました。
そして、根元近くを見ると、豪雪地帯に生き残った不屈の樹木と同じような曲がり方をしていました。どんなに浅い花壇でも、風が強くても、何度も倒れても、文句も言わずたくましく育ってくれました。風が吹くと、モビールのように葉がヒラヒラ揺れて、見る者に癒しを与えるユーカリは、実に気骨のある苦労人なんです
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