有島武郎「一房の葡萄」前編
有島武郎「一房の葡萄」は「僕」の甘酸っぱく痛い思い出を一人称で語ったものです。「赤い鳥」という子ども向けの雑誌で発表されていますし、口調から「僕」はまだ成人前と判断して読み方を工夫しています。ラストに流す音楽を探していたら、著作権付きの音源を提供しているAudioMicroでぴったりの曲があり購入しました。子どもの声の賛美歌に心洗われること間違いなしです。なお、他の音源はすべてクラッシック名曲サウンドライブラリーさんのPC打ち込みによるものを使用させていただいています。
絵を描くのが好きな「僕」は、自分の絵の具ではどうしても海の藍色と帆船の水際近くに塗ってある洋紅色を出せないので残念に思っていました。そこで思い出したのはジムという同級生の持っている西洋絵の具です。それを思うほどに手に入れたくて仕方がなくなり、とうとうその二色を盗んでしまいます。
今、薬物汚染など若者達が簡単に犯罪に手を染めてしまう時代になりました。そのハードルの低さには驚かされます。その原因の一つとして、大人が子どもに善悪の区別を教え導くことができなくなった背景があります。というか、示しがつかない事件ばかりが新聞を賑わせているわけです。
「つらいから癒しを求める」ということがエスカレートすると人生を踏み外すことがあります。「痛い思い」が人を成長させ、人生を修正させるのだとわかることが、リラックス法の達人になる秘訣なのです。
さて、藍と洋紅色は明治・大正時代の教科書ではインディゴとクリムソン・レーキだったそうですが、童話のイメージとは合いません。有島武郎自身が描いた挿絵にはBLUEとSCARETの文字があり、サクラクレパスのホームページでは藍色はウルトラマリンかプルシアンブルー、洋紅色はスカーレットではないかと推理しています。
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