宮沢賢治「雨ニモマケズ」三変化セット
さて、今回は宮沢賢治「雨ニモマケズ」三つのバージョンをセットにしたものをお送りします。本当はもう一本、某政治家のモノマネで録音してあるのですが、選挙の時期なので自主規制しました。
色々な朗読方法をチャレンジしているうちに、手帳を開いては「雨ニモマケズ」を読んでいる賢治の姿が目に浮かんできました。詩として発表するつもりなら校正するでしょう。でも、写真を見てもわかるように、校正どころか、間違うことや迷うことなく、大きな字で堂々と書き下してあるのです。見事というか、天の声を受けてそのまま書いたのかと思うほどです。
私は読むほどに励まされていくような不思議な感じがありました。逆立ちしてもできないようなストイックな生き方を謳った詩なのに、読み終えた時に前向きに生きていこう、また明日も生きていこう、と思えるのです。
ということは、賢治だって自分で書いた言葉に励まされたに違いないのです。法華経の熱心な信者だった賢治も毎日揺れていたはずで、一瞬達観したかと思うと、迷ったり、自信をなくしたり、焦ったり、いろいろあったと思います。その時に「そうなんだよな-、そうやってボクは生きたいんだよね」と確認するために、座右の銘のように、しっかりした大きな字で、いつも身につけている手帳に書いたのではないでしょうか。だから、発表するつもりどころか、文学作品とも思っていなかった‥。
朗読を終えて、そんな風なことを想像しました。お聞きになったあなたに賢治の気持ちが少しでも伝わることを祈っています。
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