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2008年11月10日 (月)

宮沢賢治「猫の事務所(初期形)」前編

 朗読音声は宮沢賢治の「猫の事務所(初期形)」前編です。生前に発表された原稿と初期形はまったくおもむきが違います。前者は世相風刺、後者はもう少し深い思いがこめられているようです。今回の朗読は、後日談のドラマを創作し、その中で案内役にこの話を語らせることにしました。案内役は何と刑事コロンボ風のイノシシです!

 話の筋はこうです。黒猫を事務長とする事務所で、「窯猫(かまねこ)」だけが他の猫から嫌われて、いじめられます。そして、その様子を見ていた厳格なライオンが、全員を恫喝し、事務所の解散を命じます。

 発表版では事務所の仕事は地理や歴史を調べる、どう見てもあまり必要性を感じない内容ですが、初期形では身寄りのない老猫に子供の居場所を教える場面から始まります。そして、最後がまったく違うのです。発表版はライオンの怒声プラスαです。

 「お前たちは何をしているか。そんなことで地理や歴史も要ったはなしでない。やめてしまえ。えい。解散を命ずる」こうして事務所は廃止になりました。ぼくは半分獅子に同感です。

 ライオンは窯猫を助けるヒーローではありません。いじめに耐えて続けていた仕事場を一瞬で消滅させてしまうのです。同時に、語り手である「ぼく」の感想は、ライオンの処分に半分賛成、半分は反対、と何だかモヤモヤしたものが残るのです。

 ところが、初期形の最後を見ると賢治の本当に言いたかったことが‥。これは次回のブログに書きましょう。

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