若山牧水「比叡山」その1
今日の朗読音声は若山牧水「比叡山」その1です。これは大正期の旅日記、いわゆる紀行文です。以前にもお伝えしましたが、牧水の文章は独特な味わいがあって、気に入っています。そればかりではなく、牧水は各地で歌を詠みながら、名所旧跡を踏破し、酒を飲み、人と交流し、現代人とは違う価値観で旅を楽しんでいるので、より一層面白いのです。
旅にはハプニングがつきものです。今回の「比叡山」でもいきなりのピンチ!があり、はじめは牧水も嫌気が指しますが、だんだんトラブルに慣れていきます。
そして、旅には出会いがつきものです。何故か牧水が出会う人達はキャラクターの濃い、愛すべき人物が多いのです。ここでは老婆、子ども、老爺(ロウヤ)などが登場しますが、それぞれとの一期一会を楽しんでいるかのような描き方がされています。
更に、旅には風物が欠かせません。美しい景色があり、天候や四季によって自然の移りゆく姿があり、その土地の食事や酒があり、そしてそこに住む鳥の声などがあります。牧水はどれもおろそかにせず愛情を注ぎながら丁寧に描き出していきます。
是非、牧水の「旅のこころ」に触れてみてください。
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