花言葉が聞こえる
私の勤めるクリニックは建物の外だけでなく、中のあちこちに花が飾られています。
設計の段階で、廊下の壁をくり抜いて飾り棚(ニッチ)を作りました。一般の診療所で何故花を飾らないかというと、長いこと放置された花や水が感染源になってしまう恐れがあるからです。しかし、ここはほぼ毎日のように花を生け換えます。それも全て大仁農場で咲いているか、栽培している花。つまりは農薬や化学肥料を使わず育てた花です。
花の一番美しい姿を来院者に見てもらいたいと、スタッフやボランティアが朝一番に掃除と花生けを一斉に行います。みんな手慣れたもので、ササッときれいに生けてしまいます。
お客さんを迎える花を飾るのが玄関ニッチの役目です。最近、ニッチを隙間という意味で使うそうですが、本来は大事なものを安置するくぼみが語源です。たとえば、礼拝堂のマリア像、小鳥の巣などです。だから、決して付け足しや遊びのつもりでニッチを設計図に入れたわけではありません。
花のリラックス効果を利用する花療法。それをクリニックの建物全体でさりげなくやろうという、大胆な発想です。「いらっしゃいませ」とは言わないけれど、もてなしの心を表しています。
花は生けた後でも水を吸い、光を浴びて、姿形を変えていきます。生きているんですねー。写真のスイートピーの花言葉は「ほのかな喜び」「優しい思い出」などです。花自身がメッセージを語ってくれるような気がしませんか?
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- エッセイ「いのちのカタチ」②(2012.06.01)
- relax052 お茶をする(2010.01.22)
- relax036 陶芸・書(2009.06.21)
- relax032 芝居、映画、コンサートに出かける(2009.03.29)
- relax020 絵本を読む②(2008.12.21)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント